最近、興味を持ったものがありまして。
「水石(すいせき)」ってご存じです?
いわゆる山水景石の事ですよ。
えっ、まだピンときませんか。
まぁ、自分自身も最近知ったんですけども。
まず山水は、山や川が織りなす自然を自分の描きたい世界観でギュッとした、いわば自然風景のミニチュアのようなもので、一般的には日本庭園の事を指します。
枯山水(かれさんすい)なら聞いた事があるかもしれませんが、これは水を使わずに(だから「枯れ」)砂利や岩や植物などだけで作った日本庭園で、砂利に施した流線模様で水の流れを再現して、それを水もある自然風景としてイメージする事で詫び寂びを感じるというものです(たぶん)。
そして、そんな山水がたった一つの石の塊に込められたもの。
たった一つの石に、山だったり滝だったり湖だったり雪だったりという自然の景色をギュッと込めたものというのが、山水景石なのです(たぶん)。
これを総じて「水石」と呼んでいる、で大体合っていると思います。
自然芸術趣味として盆栽と対をなすこの水石は、その極致とも謳われているそうです。
樹木に歴史や自然風景を込めるのが盆栽で、それを自然石でやるのが水石、と。
なるほど調べれば調べるほど奥が深そうです。
で、その水石。
なぜ知ったのかというと。
自分の普段使っているRSSサイトに埼玉新聞を入れているのですが、その中である日の記事の見出しが気になったので、読んでみたんですよ。
「落雷の影響で故障していたエアコンが復旧 大宮盆栽美術館が営業再開 企画展の会期も1週間延長して開催」
っていう見出しで。
大宮盆栽美術館は何度も訪れた事があるし、盆栽を始めたきっかけをくれた場所でもあって思い入れがあるので、この見出しを見た時にちょっと心配になって、覗いてみたんですね。
するとこの見出しの最後にもある「企画展」というものこそ
「山水涼景~水石の世界」
という催しでした。
ここで「おや、水石ってなんだ?」ってなったんですね。
そして水石について調べてみたら、そのあまりの奥深さに惹かれてしまい。
「よし、見に行くか」
となりました。
そしてその翌日。
早速行ってきました。
大宮盆栽美術館。
よく考えてみれば、盆栽村自体はよく行っているものの、盆栽美術館自体に入るのはもう数年ぶりになっていました。
お久しぶりです盆美。
水石の催しはこの時のメインのイベントなので、入るなりロビーに現れました。
まずはこういうイベントですと。
そしてこれが、唯一撮影を許された水石の逸品です。
八海山石 銘「天垓湖」
これは見た時は「なるほどー」という感じで、説明文を読んでも正直自分にはまだ世界観がよくわかりませんでした。
すごいのはわかるけど、どこがどうすごいかは説明できないみたいな。
ですが、この奥の廊下に展示されていたものはまさしく山々の風景を思わせるようなものがいくつもあって、まだこの世界の入り口に足を踏み入れるか入れないかぐらいの自分にとってはそれが本当にキャッチ―でセンセーショナルで、見事に胸を射抜かれました。
ちょっとこれ……
いいかも……。
ちなみにその後は、ちゃんと盆栽も鑑賞したですよ。
入館料分はきっちりと。
相変わらず見事な真柏パイセン。
うちの真柏は7年(樹齢だともうちょいかも?)。
で、パイセンは350年。
オレもあと300年くらい育てればこれくらい立派になるのかな。
まぁそんなこんなで、この日は水石の実物を見に大宮盆栽美術館へ行ったわけですが。
新しい世界を見て知る事が出来て、よかったと思います。
延長されたとはいえ開催期間もギリギリだったし。
これ、盆栽の時と同じ流れですね。
いきなり最高峰を見てしまう事ですっかり魅了されてしまうという。
盆栽の時は帰りにそのまま盆栽を買って帰ったけど、もしここで手頃な水石が販売されていたら買って帰っていたかも。
いや、でもやっぱり自分の足と目を使って探し出したいという気持ちがふつふつと湧いています。
なんでも、ただ面白い形の石を拾って終わりじゃないみたいなんですよ。
その後でさらに長い長い年月をかけて日光や風雨に晒して育てるという要素があるみたいなんですよ。
伸びない枯れないというだけで、長い年月を要するのは盆栽と同じというわけです。
じゃあ始めるなら少しでも若いうちからの方がいいじゃん!という事で。
ここへきて、また新しい趣味が始まりそうな予感です。
水量落ち着いたら行ってみるか、川。