高齢者の運転の是非について議論が盛んな今。
自分の身近で感じた事です。
家から駅に向かう途中の道に、クリーニング屋さんがあります。
老夫婦が営むお店です。
そのお店の前を、毎日のように通っています。
そしてお店の前には、いつもホンダのスーパーカブ50が止まっていました。
カブの荷台には、カーキ色の帆布でできたボックスが付いていました。
おそらく、クリーニングしたものを配達するためのバイクなのでしょう。
オレは、そのカブが大好きでした。
いかにも「働くカブ!」って感じで。
特に荷台のボックスが渋くて、少し羨ましくも思っているほどでした。
オレのバーディーにも付けちゃおうかな?ぐらいの。
するとある日から、そのカブを見なくなりました。
数日後には、カブの置かれていた場所には
自転車が置かれるようになりました。
自転車の荷台には、コンテナが括ってありました。
おそらくですが
カブの代わりに自転車になったようです。
では、カブはどうなったのか?
これもおそらくですが
そのお店が休んでいた様子はないので、事故ではないでしょう。
ご主人も元気に店前を掃除していましたし。
では、故障?
雨の日は必ずシートがかけられていたし、年式の割に綺麗にしてあるバイクだったのでメンテも行き届いているようでしたが、可能性はありますね。
でも、故障なら修理か買い替えてすぐにバイクは調達するはず。
それがないわけですよ。
という事は
原因はともかく
自ら手放したという線が濃いわけです。
なんとも素晴らしい事じゃないですか。
ご主人はまだ元気ではあるものの、掃除をするところを見るに足腰はだいぶ弱っていたように感じました。
となると、自転車よりも重い原付の取り回しも大変だった事でしょう。
ギヤチェンジなど、運転もおぼつかなくなっていたかもしれません。
何にせよ、それをきっとご自身ないしご夫婦で考えたのでしょう。
大事な商売に使う足をモーターから自転車に変えるというのは、よほどの決断だったに違いありません。
ここまでの事もあくまで想像ではありますが。
判断能力が欠如している事に気づかず事故を起こしてしまう老人のニュースが頻繁に取り沙汰される昨今、立派な事だと思いますよ。
好きだったカブが見られなくなったのは寂しいとはいえ
コンテナの付いたママチャリを見ても、やっぱりそれもかっこいいと思います。
働く自転車、いいじゃないですか。
そんな事を思いながら、毎朝通勤しています。
なんでもない話ですが、このタイミングというのもあってあらためて考えさせられたので記事にました。
頑張れ老夫婦。
ジャケット洗う時はよろしくお願いします。